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犬の外耳炎

お知らせ

犬の外耳炎の治療において外用薬すなわち点耳薬使用は最重要手段である。点耳薬を間違えると外耳炎の治療の成功は期待できず特に初期治療で失敗していしまうと外耳道組織の慢性または不可逆的な変化を防ぐことができず難治性の病態を招くことになります。したがって初期の外耳炎を見逃さず点耳薬を用いて適切な治療を施し早期に解決することが極めて大切です。

外耳炎は多因子疾患である。つまり外耳炎を引き起こすまたは悪化させる要因は多岐にわたります。そのため使用する点耳薬の成分が有効であるかどうかの判断が極めて重要であります。

再発性外耳炎は基礎疾患(犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、甲状腺機能低下症)にともなう外耳炎の場合主因となる疾患のコントロールを行えば再発は防げるはずです。主因を徹底的に精査しそのコントロールだけで外耳炎の再発を防げない場合には外用コルチコステロイドの点耳薬を用いたプロアクテイブ療法を実施します。プロアクテイブ療法とは兆候が見られない状態でも限定した治療を継続して再発を予防する治療法のことです。

まず急性の外耳炎のコントロールについて、1~2週間での成功を目標に点耳薬を1日1~2回毎日使用します。コンントロールが成功した後に点耳薬薬使用頻度1日おきとして2週間程度継続し悪化がなければさらに使用頻度を減らし週2回とします。以後は週2回を維持します。この点耳薬はできるだけ抗菌薬や抗真菌薬が含まれずコルチコステロイドの有害事象が起こりにくいウイーク相当の薬剤を使用しますが外耳炎のい状況で薬剤は適宜検討します。