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猫が口元を気にしている

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食事のぎこちなさから気がつくことも

猫は歯が抜けてしまう事があります。
歯が抜ける前の症状もいくつかありますので、把握しておくとよいでしょう。
症状としてまずわかりやすいのは食事をするときです。歯に特に問題がなければ、左右の歯を使用して噛みます。ですが、歯の調子があまり良くない場合、片方の歯で噛もうとするなどいつもと違って食べづらそうになります。
通常、健康な口腔内では歯が白く、歯茎は薄めのピンク色をしていて腫れなどもありません。ですが、問題がある場合、歯茎が腫れる、出血する、歯茎が下がってきて歯が長くなったように見えるといった症状がみられます。逆に歯茎が腫れて歯が埋まってしまい隠れて見えにくくなる事もあります。 また、歯には歯垢や歯石がついて黄色、または茶色っぽくなっている事もあります。

これらの症状が出ている時には口臭もきつくなります。

考えられる猫の不調の原因は?

抜けるはずのない時期に歯が抜けてしまったら要注意!

猫の歯が抜ける原因として考えられるのはいくつあります。

乳歯の生え変わり
猫は生まれてから2週間くらいから歯が生えてきます。
この歯は乳歯なので、生後3ヶ月から半年あたりで抜けて永久歯に生え変わります。
そのため生後5ヶ月前後あたりで急に歯が抜けたと驚き、心配する飼い主さんもいらっしゃいますが、この時期に抜けるのは乳歯の可能性が高いので特に心配する必要はないでしょう。
もしその時に出血や腫れがひどい場合は動物病院に相談してみましょう。
歯周病・口内炎
猫に虫歯はほとんどないといわれていますが、その反面、歯周病や口内炎は8割の猫に見られると言われています。
口の中に歯垢ができ、更に時間が経過する事で歯石へと変化します。歯石の中では多くの細菌が活動しており、中には毒素を出す菌もいます。
そこで猫の体の中に存在する免疫細胞が毒素や細菌と戦う際に歯茎の組織も一緒に攻撃をしてしまうのです。つまり免疫細胞からの攻撃、細菌が出す毒素、この両方が原因で歯茎の炎症「歯肉炎」につながっていきます。更に、歯石が歯と歯茎の隙間に入りこんでその隙間を拡大し、歯茎を後退させ、やがて歯がぐらついてきて最終的には抜けてしまいます。
口内炎は歯周病と同じように歯垢や歯石が原因で起こることもありますが、ウイルスや細菌感染が原因で起こることもあります。
代表的なウイルスは猫カリシウイルスや猫エイズウイルスです。 これらが原因で免疫が低下し、なおさら口内炎の治癒を難しいものにしてしまいます。
いずれもワクチンで予防可能なウイルスですので、年に1度の接種をお忘れなく。
また、外に出さずに室内外を徹底することで感染リスクを低下させることも重要です。
腫瘍
4歳以降の猫ちゃんに多く見られる病気です。
口内や顎に発生する腫瘍によって口内の構造が破綻し歯が抜けることがあります。
猫の口周囲に発生する悪性腫瘍としては、扁平上皮癌や線維肉腫、メラノーマが代表的です。また、エプーリスや乳頭腫、エナメル芽細胞腫といったりょうせいしゅようがはっせいすることもありますが、猫での発生は稀で、かつこれらの良性腫瘍で歯が抜けてしまうことはほとんどありません。
症状としては、食事に時間がかかる、口臭がする、口内から出血している、?み合わせがおかしいなどが挙げられます。
いずれも周囲組織への浸潤性や転移する可能性の高い腫瘍ですので、上記症状が当てはまる場合は早期の受診をおすすめします。
破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)
ネックリージョンとも呼ばれ、4歳以降の猫ちゃんに多く見られる病気です。
破歯細胞という細胞は、乳歯を溶かして永久歯の邪魔をすることなく生え変わらせる役割があります。
本来であれば永久歯には影響がないはずですが、破歯細胞の働き自体が暴走すると永久歯も溶かしてしまいます。
残念ながら、現状では詳しい原因はわかっていません。

猫のためにあなたができること

定期的な歯科検診が最良の予防策!

歯の色がおかしい、歯茎が腫れている、口臭がする、以前より食事に時間がかかる、口内を気にしているという場合、早めに対処することで対策、治療する事ができます。
まず、動物病院で診てもらい、抜けた原因を探りましょう。
歯周病が原因の場合、歯が抜けるだけでなく、毒素が体内に入り込み、骨や内臓にも影響を及ぼすことがあります。また、口周囲で発生する腫瘍は悪性度が高く、転移を起こすこともあるため、そうならないためにも、定期的に歯科検診を受けさせてあげることが最良の予防策になるでしょう。
現在は猫の口内環境を改善するサプリメントもあるので、早期であればあるほど薬や歯石除去といった外科処置に頼らず改善させることも可能です。