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犬の心雑音(僧帽弁閉鎖不全症)

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犬の心雑音が聞かれた場合、最も多いのが僧帽弁閉鎖不全症です。僧帽弁閉鎖不全症の最も多い原因が僧帽弁粘液腫様変性です。

僧帽弁粘液腫様変性は、加齢と共に発症・進行する病気で、13歳までに85%の小型犬が罹患するとされています。キャバリアなどは1歳以下でも心雑音が聴取される場合があり、また、心雑音が伴わないものの、心臓超音波検査により5歳以下であっても僧帽弁閉鎖不全が存在する例も報告されています。僧帽弁粘液腫様変性は進行性疾患であることから早期に検出することが重要です。

治療は、米国獣医内科学会(ACVIM)の僧帽弁粘液腫様変性のステージ(A、B1、B2、C、D)に応じておこないます。治療が必須となるのは、ステージB2からです。ステージ分類するには、レントゲン検査・心臓超音波検査が検査が必須ですが、まずは心雑音を早期に聴取することが大切です。心雑音が聴取されたら、レントゲン検査で心臓が拡大(VHS 椎骨心臓サイズ)が、10.5より大きく、超音波検査でLa/Aoが1.6より大きく、LVIDDNが1.7以上なら投薬が必要です。それ以外にも投薬が必要な場合もあります。心臓の状態が詳細にわかるのは、超音波検査です。僧帽弁閉鎖不全症は、進行性疾患なので超音波検査で心臓・弁膜・血流速・逆流速等を詳しく調べていく必要があります。まずは、肺水腫にならないように検査・治療を進めていきます。手術は治すことができます。しかし、費用が高額になります。手術を行った方が良い心臓の状態であれば、提案はさせて頂きます。それを行える病院も当院から紹介状を送らせて頂きます。