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腸リンパ管拡張症

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腸リンパ管拡張症は腸粘膜、粘膜下織、腸間膜のリンパ管の異常な拡張を呈した病態であり、犬の蛋白喪失性腸症の主な原疾患の1つです。腸リンパ管拡張症はその原因によって原発性と続発性とに分類されます。

続発性腸リンパ管拡張症は、腸の炎症や腫瘍によるリンパ管の閉塞やリンパ節腫大、もしくはまれに右心不全や門脈圧亢進症などによる静水圧上昇により二次性に起こります。一方、原発性腸リンパ管拡張症の病態は明らかになっていませんが、先天性のリンパ管の形成不全、腸管や腸間膜のリンパ管の炎症によるリンパ液環流障害などの関与が疑われています。

【症状】主な症状は下痢、痩せる、腹水貯留ですが、消化器症状を全く認めない場合もあります。

【診断】腸リンパ管拡張症の確定診断は内視鏡による病理組織学的検査を基本としますが、超音波検査と血液検査等で診断できる場合が多いです。

【治療】続発性腸リンパ管拡張症の場合は、基礎疾患に対する治療を行うことが主体です。原発性では薬物療法と食事療法です。

 

近年、高性能超音波機器により腸リンパ管拡張症など、消化器疾患の診断が容易になり、動物の非侵襲的に診断治療が行えるようになりました。