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猫の慢性腎臓病(chronic kidney disease-CKD)
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慢性腎臓病(CKD)は、長期にわたり不可逆的に腎機能が低下する病気です。10歳以上の猫の30~40%が罹患し、15歳以上の猫で最も一般的な死因となっています。
『原因』 猫では糸球体疾患、腎盂腎炎、アミロイドーシス、多発性嚢胞腎、腫瘍、高カルシウム結晶性腎症、尿路閉塞、腎虚血、腎毒性物質、感染症、遺伝性、先天性などが原因として報告されています。
腎機能障害が進行すると腎臓の糸球体内の毛細血管内圧が増加します(糸球体高血圧)。糸球体高血圧により正常な腎臓細胞も障害され、さらに腎臓機能が低下していきます。
『症状』 腎機能が約1/3まで減少すると、尿を濃くする機能が低下し(尿比重の低下)、多飲多尿(水をたくさん飲む、尿をたくさんする)が見られます。
多飲多尿、食欲低下のために脱水症状を起こすことが多い。
進行すると嘔吐、下痢、体重減少が見られるようになります。貧血による粘膜(歯茎、目の結膜)が白くなってきます。
重度の尿毒症では、舌壊死、口の中の潰瘍が見られることがあります。
『検査・診断』 血液検査、尿検査、腹部超音波検査、血圧測定などにより、CKDのステージわけをします。
『治療』 CKDのステージ、合併症にあわせて治療を行います。
食事療法、薬物療法(蛋白尿、高血圧、脱水、貧血)等。
ステージが上がるごとに生存期間は短くなります。尿検査や血液検査を定期的にすることによって、早期発見、早期治療ができ、健康寿命が長くなります。
定期健康診断を受診することをお勧めします。