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慢性下痢

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下痢は急性下痢と慢性下痢に分けられます。急性下痢は臨床徴候の持続期間から1~2週間未満、慢性下痢は2,3週間以上もしくは再発性であります。

慢性下痢は精査及び診断に基づいた治療の対象であります。何かしらの疾患が原因であると推察され、対症療法ではなく疾患に応じた治療が必要になります。

慢性下痢の原因には、原発性と続発性があります。原発性とは、慢性腸症、感染症、腫瘍などの消化管そのもの発生する疾患であります。

続発性とは、膵外分泌不全、甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能低下症、肝・腎・心臓疾患など消化管以外に責任病変があるが、徴候の一つとして消化器徴候が含まれている疾患であります。この中に含まれる慢性腸症は、除外診断および治療反応性で診断を下すことから、基本的に慢性下痢の場合は原因疾患をピンポイントで当てに行くのではなく、併発疾患なども含めてスクリーニング検査が必要になってきます。

軽症例の場合は、寄生虫感染、食餌反応性腸症、犬では低脂肪食に反応を示す食餌反応性蛋白喪失性腸症などがあげられます。食餌反応性腸症や食餌反応性蛋白喪失性腸症は他の慢性腸症と比較して発症年齢が若く軽症であり下痢がダラダラと続いているけどずっと元気だといったことも珍しくありません。

一方、リンパ腫は慢性腸症と比較して重症であります。特に、慢性下痢の中で腫瘍性疾患は悪化して最終的には死亡する可能性の高い疾患であります。